皇国
正式名称は豊葦原瑞籬内皇国(とよあしはらのみずがきのうちのすめらみことのくに)。約二千年前の建国以来、中立を貫いてきた国家である。神の血を継ぐとされる皇帝が治めており、ここ数百年小さな内乱すら起こっていない平和な国だった。他国にはない《呪術》という技術を用いて国土を守り続けていたが、三年前に共和国の侵攻を許してしまう。
正式名称は豊葦原瑞籬内皇国(とよあしはらのみずがきのうちのすめらみことのくに)。約二千年前の建国以来、中立を貫いてきた国家である。神の血を継ぐとされる皇帝が治めており、ここ数百年小さな内乱すら起こっていない平和な国だった。他国にはない《呪術》という技術を用いて国土を守り続けていたが、三年前に共和国の侵攻を許してしまう。
世界最大の国土と人口、軍事力を誇る民主主義国家。「圧政下に置かれた民衆の解放」という大義名分の下、世界各地で侵略戦争を起こしている。圧倒的な物量にものを言わせ、約二十年という短期間で世界の半分以上を手中に収めた。
皇国の首都として長く栄えてきた都市で、人口は五百万を数える。天京には、皇帝が暮らす《帝宮》の他、防衛の要である《呪壁》や、武人が暮らす《武人町》などがあった。敗戦後は、《帝宮》近くに《共和国総督府》が置かれ、皇国政府の行動に厳しい監視の目が注がれている。
非合法の物品や、共和国軍からの払い下げ品を取り引きする店が密集する地域。爆撃により瓦礫と化した武人町から掘り出された呪装刀が店先に並ぶこともある。扱われている商品の性格上、日没後に活気が出ることから《夜鴉町》の名が付いた。入り組んだ路地はさながら迷路であり、脛に傷ある者が身を隠すには最適の場所でもある。
元武人である《更科睦美》が女将を務める居酒屋。路地の奥にあり、看板や暖簾もないことから、一見の客はほぼ入ってこない。店には毎晩のように武人が集まり、情報交換が行われている。高嶺の花として人気を集める睦美の存在を含め、武人たちにとってはただの居酒屋以上に思い入れのある店。
戦後、身分と俸給を失った武人たちによって作られた組織。武人の職業斡旋や、戦死した武人の遺族の救済などを表向きの活動としていた。真の目的は皇国を占領している共和国軍の殲滅だったが、決起を目前にして《エルザ》率いる部隊に急襲されてしまう。現在は前会長の娘である《稲生滸》が会長代行を務め、地下組織化している。